IFRで飛行する際に必ず理解しておかなければならない重要な概念が「最低高度」です。中でもMEA(Minimum Enroute Altitude)、MOCA(Minimum Obstruction Clearance Altitude)、MRA(Minimum Reception Altitude)は、安全な飛行を確保するための基本的な高度制限です。
特にIMC状態では地形が見えないため安全に飛行するためにそのルートを通るための最低高度が定められています。
MEA(Minimum Enroute Altitude)最低経路高度
MEA最低経路高度とは、航空路の2地点間におけるIFR航空機が飛行できる最低高度のことです。航空保安無線施設からの電波の到達距離や障害物からの距離によって算出されます。
これが一番基本の高度
MEAは、航空路を飛行するときの基本となる最低高度です。「この航空路を飛ぶなら、最低でもこの高度以上を維持してね」という高度のことです。
MEAで保証されること
MEA以上の高度で飛べば、次の3つが保証されます:
- 航法信号がちゃんと受信できる
VORやVORTACの電波がしっかり届く高度 - 障害物にぶつからない
山や建物から十分な間隔(通常2,000ft)が確保されている - ATCと通信できる
管制との無線交信が可能な高度
つまり、MEAを守っていれば航法も通信も障害物回避も全部OKということです。
MEAは以下で説明するMOCA、MRA以上の高度で設定されます。
MOCA(Minimum Obstacle Clearance Altitude)最低障害物回避高度
MOCAとは、航空路上で障害物回避のみを保証する最低高度のことです。
障害物だけを避ける高度
MOCAは、「障害物にさえぶつからなければいい」という最低ラインの高度です。MEAと違って、航法信号の受信は保証されません。
MOCAの設定ルール
飛行方式設定基準では:
MOCA = 航空路から5nm以内の一番高い障害物 + 2,000ft
要するに、「この高度なら障害物には当たらない」という高度です。
いつ使うの?
MOCAは緊急時専用と考えてください:
使う場面の例:
- MEAで飛んでいたら着氷してきた → 低い高度に逃げたい
- 与圧系統が故障した → 降下しないと危険
MRA(Minimum Reception Altitude)最低受信高度
航空路上の交差点を確認するために無線信号を良好に受信できる最低高度のことです。

VOR AからVOR BまでのV100を飛行する際にはMEAである10000ftを飛行すれば良いです。しかし交差点であるLINDAを確認するためにはVOR Cからの電波が必要です。
VOR Cからの電波を受信するには途中に山があるため15000ftまで上昇しなくてはならないです。
→これがMRAです。
今時DMEがあるからVOR Aからの距離でLINDAがどこかわかるじゃんって思う方もいると思います。
古い航空機にはDMEがなかったりするために存在しています。またDMEが故障したりした時の冗長性としての役割もあります。



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