Minimum Fuelとは、簡単に言えば「もう燃料に余裕がないので、これ以上待たされたら困ります」と管制官に伝えるための言葉です。
もう少し正確に言うと:
- 着陸できる空港が一つしかない
- でも、これ以上遅れると「非常用に残しておくべき燃料(Final reserve fuel)」まで使うことになってしまう
という状況を管制官に知らせるための通報です。
「航空機の燃料供給が、特定の飛行場への着陸を確約した状態に達し、追加の遅延を受け入れることができない状況」とされています。
Final reserve fuel とは
これは、「どんなことがあっても残しておかなければならない燃料」のことです。
着陸時の燃料がこれを下回らないことが基本になります。
国際基準(ICAO Annex 6)では、
- 高度1,500フィートで30分間飛行できる燃料
航空運送事業でレシプロ機の場合:
- 高度1,500フィートで30分間飛行できる燃料
航空運送事業以外でIFR機の場合:
- 高度1,500フィートで45分間飛行できる燃料
航空運送事業以外でVFR機の場合:
- 昼間は高度1,500フィートで30分間、夜間は45分間飛行できる燃料
と定められています。
Minimum fuel を通報する時
東京から大阪へ飛行中、大阪空港の天候が悪化してきました。当初は大阪に着陸できると思っていましたが、状況を見て福岡にダイバートを決定しました。
福岡に行くための燃料を計算したときに、安全に着陸するために必要な残存燃料が遅延を受け入れられない状態に達した時に
管制にminimum fuelを通報します。
遅延が予想される場合には、追加管制承認予定時刻、進入順位、進入予定時刻、着陸順位のいずれかが提供される。
安全に着陸するために必要な残存燃料が遅延を受け入れられない状態に達した時っていつだよ具体的に数値がどれくらいかという話は解釈に幅がある。
そこの燃料の量についてはこれからの課題とされています。
個人的なイメージとしては、悪天候や空港が閉鎖した時に、他の空港に行かなくてはならない状況になって、そのための燃料が遅延がある際にfinal reserve fuelを到着時点で切る時にminimum fuelを通報するという解釈をしています。
MAYDAY fuel との違いとは
minimum fuelに対して着陸時にfinal reserve fuelを切ることが確実である際に使用します。
管制官による最優先の取り扱いが必要であり、かつそれを期待することを明確に伝えます。
mayday fuelを通報するときは、残存燃料を分単位でどれくらいの時間もつか通報しなくてはならない。

参考資料
AIP 791


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