最低気象条件とは
最低気象条件(ミニマム/Minimum) とは、航空機が特定の操作を合法かつ安全に実施できる雲の最低高度または視程条件のことです。これは航空法に基づいて定められており、パイロットはこの条件を満たさなければ、離陸や着陸、計器進入などを実施することができません。
最低気象条件は主に以下の3つに分類されます:
- テイクオフ・ミニマ(Takeoff Minima):離陸時の最低気象条件
- ランディング・ミニマ(Landing Minima):着陸時の最低気象条件
- オルタネート・ミニマ(Alternate Minima):代替空港の最低気象条件
これらの条件は、AIP(Aeronautical Information Publication:航空路誌)に公示されており、各空港や進入方式ごとに詳細に定められています。
今回は代替空港の最低気象条件について取り扱っていきます。
着陸の代替空港を設定するのはいつか
航空法施行規則153条の通達において代替飛行場を飛行計画に記載しない条件が書かれています。
飛行機(航空運送事業以外)の場合
以下の条件を到着空港がすべて満たす場合、代替飛行場を飛行計画に表示しなくてよい。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ①計器進入方式 | 着陸地に計器進入方式が設定されていること |
| ②時間帯 | 到着予定時刻の前後それぞれ2時間の間 (飛行時間が2時間未満の場合は、出発時刻から到着予定時刻の2時間後まで) |
| ③雲高 | 当該機に適用可能な計器進入方式の進入限界高度より少なくとも300 m (1000ft)高いこと |
| ④視程 | 当該機に適用可能な計器進入方式の最低気象条件として定められた最小の値より少なくとも4,000 m 以上上回る または 5,500 m 以上の値を示すこと |
覚え方としては12345です。
1=Instrumentあり
2=ETA+-2hr
3=CIELINGがDA,MDA+300m
4、5=VISがMIN+4000m or 5500m以上
到着空港が計器進入方式があり到着時刻の前後2時間以内の雲高がDA,MDAより1000ft以上、視程が最低気象条件+4000mか5500m以上あれば
着陸の代替空港を設定しなくても大丈夫ということになります。
着陸の代替空港の最低気象条件
着陸空港が代替空港を設定しなくてはならない気象条件であった場合、代替空港にどの空港を選べばいいのでしょうか。
代替空港の最低気象条件はETA時点(到着予定時刻)で以下の最低気象条件を満たす必要があります。
| 進入方式 | 雲高(Ceiling) | 地上視程(Visibility) |
|---|---|---|
| CAT-I 精密進入 | 非精密進入のMDHに等しい雲高 (100 ft単位に切り上げ) | 最低気象条件の値に等しい地上視程 |
| 非精密進入 | 非精密進入のMDH + 200 ft (100 ft単位に切り上げ) | 最低気象条件 + 1,000 m |
| 周回進入 | 周回進入のMDHに等しい雲高 (100 ft単位に切り上げ) | 公示された最低気象条件の地上視程 |
| CAT-II 精密進入 | CAT-I 精密進入のMDHに等しい雲高 (100 ft単位に切り上げ) | CAT-I 精密進入の最低気象条件に等しい地上視程 |

飛行方式設定基準Ⅴ-1-9-1
CMV換算の適用除外
代替空港の最低気象条件には、CMV(Converted Meteorological Visibility)換算は適用されない。
CMV換算が適用されない場合:
- 離陸時
- CAT II/III 精密進入
- 周回進入
- 代替飛行場としての使用時 ← 重要
つまり、代替空港を選定する際は、地上視程そのままの値で判断する必要があります。



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