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特定操縦技能審査 一問一答 | パイロットガイド
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「技能証明さえ持っていれば、いつまでも機長として飛べる」わけではありません。パイロットは2年に1度、特定操縦技能審査という審査に合格し続けなければ、機長として航空機を操縦することができなくなります。

特定操縦技能審査とは

航空法第71条の3

操縦技能証明を有する者は、航空機の操縦に従事するのに必要な知識及び能力であつてその維持について確認することが特に必要であるもの(以下この条において「特定操縦技能」という。)を有するかどうかについて、操縦技能審査員(特定操縦技能の審査を行うのに必要な経験、知識及び能力を有することについて国土交通大臣の認定を受けた者をいう。第四項及び第百三十四条において同じ。)の審査を受け、これに合格していなければ、当該操縦技能証明について限定をされた範囲の航空機について次に掲げる行為を行つてはならない。この場合において、当該審査は、当該行為を行う日前国土交通省令で定める期間内に受けたものでなければならない。

条文の通り、この審査はパイロットの知識・能力を維持することを目的としています。

技能証明を持っている人は、2年に1度、自分が操縦する航空機の種類(飛行機・回転翼航空機・滑空機・飛行船)ごとにこの審査を受ける必要があります。等級限定や型式限定そのものには影響しませんが、たとえば陸上多発の限定しか持っていない場合は、当然その多発機で審査を受けなければなりません(単発・多発の両方を持っている人はどちらで受けても良い)。

誰が、いつ受けるのか

対象は「技能証明を持つすべてのパイロット」です。エアラインの運航乗務員に限らず、事業用操縦士や自家用操縦士も対象になります。頻度は2年に1度、操縦する航空機の種類ごとです。

審査の中身の6項目

航空情報サーキュラーAIC033/22「特定操縦技能審査制度の導入について」には、審査内容が次のように定められています。

特定操縦技能審査は、次に掲げる項目について口述及び実技により実施する。

a) 運航に必要な知識(※航空法規の改正点、最新の運航規則、最近の航空事故等を踏まえた留意事項 等)
b) 飛行前作業(※重量重心位置、航空情報、気象情報、航空機整備状況、搭載燃料等の確認、飛行計画の策定・承認 等)
c) 空港等及び場周経路における運航
d) 通常の離陸及び着陸並びに着陸復行及び離陸中止
e) 基本的な計器による飛行
f) 飛行全般における通常時の操作(※異常時及び緊急時の操作、着陸復行及び離陸中止については、実技審査中における口頭による審査を想定)

法規知識や飛行前作業だけでなく、実際の離着陸・計器飛行・通常操作まで、口述と実技の両方でまんべんなくチェックされる審査だとわかります。

合格しないと何ができなくなるのか

AIC033/22では、特定操縦技能審査に合格していないと次の4つの行為ができなくなると明記されています。

次に掲げる行為(以下「操縦等」という。)を行うことができなくなる。

  1. 航空機に乗り組んで行うその操縦
  2. 必要な操縦技能証明を有さない者が行う操縦の練習の監督
  3. 特定操縦技能審査に合格していない者が行う操縦の練習の監督
  4. 必要な計器飛行証明を有さない者が行う計器飛行等の練習の監督

要するに、機長として飛ぶことができなくなるということです。副操縦士としての業務も広い意味で「航空機の操縦」に含まれるため、副操縦士としても乗務できなくなります。ライセンスを持っていても、この審査に合格していなければコックピットで操縦席に座れない、というのが実態です。

なお、不合格になった場合は、再審査や操縦の練習等のために必要な場合を除き、速やかに技能証明書を国土交通大臣に提出しなければならないとされています。

審査を受けなくてよい場合(免除規定)

AIC033/22には、特定操縦技能審査を受けなくてもよい例外も定められています。

  • 操縦技能証明またはその限定変更を受けた場合(=ライセンス取得・限定変更の直後は、それ自体が技能確認になるため免除)
  • 航空運送事業者が運航規程に基づき行う技能審査に合格した場合
  • やむを得ない事由があると認めて国土交通大臣が許可した場合(災害時の救助活動、外国で有効期間が満了した場合などを想定)

つまり「ライセンスを取ったばかりの人がいきなり審査を受け直す」必要はなく、免許の交付・限定変更そのものが技能確認を兼ねる形になっています。

有効期限の数え方:「45日前ルール」で損をしない

条文上、この「期間」は航空法71条の3自体には具体的な日数が書かれておらず、「国土交通省令で定める期間」に委任されています。この委任先が航空法施行規則で、詳細はさらにAIC033/22で次のように示されています。

特定操縦技能審査は、原則、操縦等を行う日前「2年以内」に受けなければならない(審査合格日の翌日から2年間は操縦等が可能)。 ただし、前回の審査合格に係る操縦等可能期間(2年)内に、新たに審査に合格した場合には、45日間を限度として、新たな審査合格の有効期間は、2年に前回の審査合格の有効期間の残余を加算したものとする。

新たに操縦技能証明の限定を受けたり、限定変更を受けたりした場合も、特定操縦技能審査を受けたのと同様に扱われ、そこから2年間は操縦等が可能になります。

期限の45日前以降に審査を受験した場合、残りの日数(最大45日分)をそのまま新しい2年間に上乗せできるという仕組みです。たとえば有効期限の30日前に合格すれば、その残り30日を無駄にすることなく、新しい2年間に加算できます。これにより、多少早めに審査を受けても損をしない設計になっています。

不合格だったらどうなるか

万が一不合格になった場合は、有資格者(操縦教育証明を持つ教官など)が同乗することで再訓練を受けることができます。再訓練後、改めて特定操縦技能審査を受験する流れになります。

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